前作の勢い劣れず、多くのファンが待ち望んでいた「アナと雪の女王2」。
実際に観た人の多くが、「期待を裏切らなかった」「1より好き!」という声が続出しています。
そこでこの記事では、アナ雪2の魅力を考察すると共に、ディズニーがこの作品で伝えたかったことを紹介していきます。
まだ観ていない人はネタばれを含むので、ご注意ください!
アナ雪2の見どころ1~『アナ雪1』の回想シーンが満載!
アナ雪2の劇中には、随所にアナ雪1の回想シーンが出てくるんです。
これは、観る人にとっては「あ、このシーン!」と懐かしさを感じると共に、「知ってる、知ってる!」とちょっとした優越感を持たせてくれます。
この演出は、まだ映画館で映画を見る機会が少ない子供達にとっては、「このシーン観た!」という興奮にもつながる演出でもありますね。
ブレないそれぞれのキャラ設定
随所に見られる回想シーンを引き立たせてくれているのが、それぞれのキャラクターの個性が、前作アナ雪1からしっかり引き継がれていることです。
心配性でマイナス思考の姉のエルサ。
奔放でプラス思考のアナ。
女性の意志を尊重しながら、かゆいところに手が届く手助けをしてくれる現代版王子様クリストフ・・・etc。
このようなそれぞれのキャラクターが、今回のアナ雪2でも物語のベースになっているので、観る方もある程度展開を予想しながら見ることができる安心感があります。
オラフの存在感
中でも一番ブレないキャラ設定なのが、オラフ。
日本語吹き替え版の声を心配していた人も多いかと思いますが、アナ雪1とは全く違和感なく、オラフのおとぼけキャラを堪能することができます。
特に秀逸だったのが、オラフが1分間で語るアナ雪1のあらすじです。
実際に前作を見てない人にとってはとんちんかんな説明なのですが、アナ雪が大好きで何度もDVDを観ていた子供達にとっては、「分かる!」と大爆笑のシーンでした。
この「分かる人には分かる」という感覚が 、観る人の感情を上手にくすぐってきます。
見どころポイント
随所に挿入された前作の回想シーンが、観る人に懐かしさと「知ってる」という優越感を持たせてくれます。その結果映画館全体に一体感も生まれて、笑いや感動が倍になる仕掛けがなされています。
アナ雪2の見どころ2~圧倒的な音楽の力
アナ雪の醍醐味といえば、字幕版・吹き替え版ともに、声優陣の圧倒的な歌唱力がありますね。
今回のアナ雪2の音楽演出も、アナ雪1と全く遜色のない出来栄えになっていました。
まるでミュージカルを見ているような感覚で、劇中の音楽とキャラクターの動きがぴったりと一致しています。
日本語版声優陣の歌唱力
今回もエルサが松たか子、アナを神田沙也加が努めています。さらに二人の母親役である吉田羊の歌声もとても素敵です。
とはいえ前作で一世を風靡した「Let It Go」の印象が強すぎて、もしかしたら同じテーマ曲を使うのでは?とも思われていましたが、いい意味で予想を裏切ってくれました。
今回メインテーマとして使われた「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」も、なかなかの音域がないと歌いこなせない曲ですが、見事な声量でインパクトに残る圧巻の歌声でした。
アナ雪1との繋がりを感じる曲
アナ雪2ではアナ雪1から受け継がれてきた謎が、ある劇中曲によって 「つながる瞬間」があります。
それはエルサとアナの出生に関わる重大なヒントが隠されていて、その曲が流れた瞬間に全てを理解する鳥肌ものの演出が盛り込まれています。
もちろんその曲はアナ雪ファンであれば耳馴染みのある曲で、一切の説明を抜きにしても腑に落ちる瞬間を味わうことができ、アナ雪2を作るためにアナ雪1があったのではないか?とさえ思わせてくれる感動的なシーンでした。
見どころポイント
アナ雪1と遜色のない音楽の演出に、観る人は期待を裏切られることがありません。
また劇中に流れるある曲によって、アナ雪1との強烈な繋がりを感じることができます。まだ観ていない人は、その瞬間をぜひ探してみてください。
アナ雪2の見どころ3~『アナ雪1』からもう一歩踏み込んだメッセージ性
ディズニー映画の多くは、物語ごとに一つのメッセージ性が隠されていることが多いです。
もちろんアナ雪も例外ではありません。
アナ雪1はありのままの自分を受け入れる
まず前作のアナ雪1では、歌の歌詞でもあった通り「ありのままの自分」を受け入れるメッセージ性が隠されていました。
ご存知の通りエルサには、生まれながらにして持っている魔法の力があり、人を助けることもできますが、時に人に危害を与えるものでもあることに悩まされていました。
そしてできるだけそのことでエルサ本人を傷つけないために、両親もエルサ自身も自分の世界に閉じこもることで、魔法の力を封印していたのです。
このような魔法の力は、現代社会でも「個性」という表現に置き換えることができます。
持って生まれた「人とは違うこと」について生きにくさを感じる人たちに、ありのままの姿を受け入れることで、自分らしく生きる世界を作ることができる!というメッセージが、アナ雪1のメインテーマでした。
アナ雪2はありのままを受け入れた次のステージ
そして今回のアナ雪2は、ありのままを受け入れた自分に次に訪れるステージがテーマになっています。
アレンデールの森で国民に支持されながら穏やかな生活を送っていた姉妹に、次の試練が待ち受けます。
しかしその試練は、目をつぶろうと思えば無視することもできた試練です。
例えば現実世界でも、自分にとって居心地のよい生活を守り続けることも大切な要素ですよね?
しかし、今作品では「未知の旅へ」踏み出すことで、自分の力を求めている人がいるかもしれないということがメインストーリーになっているのです。
誰かのために生きること
アナ雪2でも、エルサの果敢な挑戦をアナが後押しするという構成になっています。
姉を助けたいアナと、妹を心配して突き放すエルサという鉄板の流れもそのままです。
そして立ち向かうことを決めたエルサに再び訪れる不安が、自分に与えられた魔法の力でした。
魔法の力がなくては誰かを救うことはできないけれど、その魔法の力を恐れて離れていってしまう人がいる・・・という誤解が、今回もエルサを苦しめます。
しかしアナ雪1でありのままの自分を受け入れたエルサは、前作よりパワーアップした強さを見せてくれます。家族や仲間に受け入れられている自信も大きいでしょう。
このように考えると、やはりアナ雪1あっての今作品と言えます。
なぜなら「ありのままの自分」を好きになれない人は、誰かのことを助けることもできないからです。
アナ雪2が伝えたかったメッセージ
現代は個性やオンリーワンが尊重される時代で、若者の多くがコスパやライフワークバランスを重要視しています。
そしてアナ雪は前作通じて悪者が登場することはなく、 これまでのディズニー作品にありがちな勧善懲悪スタイルをとっていません。
つまり誰かと戦いながら正義を貫くこれまでの泥臭さとは一変した世界観が、 今を生きる子どもたちにもすんなりと受け入れられているのでしょう。
ただし、アナ雪2では「ありのままでもいいけれど、このままでいいの?」という停滞することへの危機感をちょっとだけ匂わせています。
しかもそれは、「あなたの個性を、あなたの知らない所で待っている人がいるかもよ?」という、本当にさりげないやり方で。
これまで「ありのままの~」と口ずさんでいた子供たちが、今度は「未知の旅へ~」と意識が変わっていきます。
と同時に、コスパは悪いかもしれないけれど「誰かのためになれる自分」という次のステージの幸せを、アナ雪2は伝えたかったのかもしれません。
見どころポイント
アナ雪2には、自分の個性を受け入れた人が、次に進むべきステージについて触れている作品です。
またエンディングでは、姉妹が選択した新たな道が描かれています。まさに終わりではなく、次のステージのスタートです。アナ雪3もあるのかもしれません。
アナ雪2の魅力まとめ~親から子へ残せるもの
アナ雪は、子供から大人まで男女問わず楽しむことができる作品です。
特に映画館では、家族総出で鑑賞する姿が目につきました。
またアナ雪は、子供だけではなく親としても考えさせられる教訓が多い作品です。
例えば、一般的に受け入れられづらい子供の個性を、「隠す」ことで我が子を守ろうとしていないか?
さらに今作品では、子供にとって居心地のよい環境を貫き通すことが、子供の人生を狭めていないか?ということまで派生しています。
一方で、一番身近にいる親が子供の個性を認めてあげないことには、世の中に出ても辛い思いをさせるだけだよ?というメッセージを読み解くこともできます。
つまり、子供たちへは「恐れずに他の世界に飛び込む勇気」を、親たちには「子育ての順番を間違わないように」 という教訓が散りばめられています。
ぜひ、前作の伏線を回収しながら鑑賞してみてください!